熟成肉は長ければ長いほど美味しい?60日以上熟成しない肉がある理由
熟成肉というと、「熟成期間は長ければ長いほど美味しい」と思われることがあります。
ですが、実際はそう単純ではありません。
部位によって、長期熟成に向いているものと、長く置かない方がいいものがあります。
その代表例が「シンシン」です。
※掲載写真は熟成ランプです。
シンシンは、だいたい40日熟成がベスト
当店でこれまでシンシンを熟成してきた経験では、だいたいの個体で40日前後が一番バランスの良い熟成期間です。
もちろん個体差はありますが、「状態が良ければ60日、100日まで伸ばす」という部位ではありません。むしろ、シンシンは長く引っ張ることで状態を崩しやすい部位だと考えています。
60日まで熟成すると、香りが悪くなることがある
シンシンを60日程度まで熟成させたとき、当店では香りが良い方向に伸びるのではなく、逆に嫌な香りに変わってしまう個体を何度も見てきました。
熟成日数が長いほど香りが強くなる、という話ではありません。部位によっては、あるところを超えると香りの質そのものが悪くなります。
シンシンは、その境目が比較的早く来やすい部位です。だから当店では、日数を伸ばすこと自体を目的にはしていません。
シンシンは、内部にカビが入り込むこともある
もう一つ、シンシンを長く熟成させない理由があります。
当店で熟成してきた中では、長く熟成を続けると、表面だけではなく肉の内部にカビが入り込んでいくケースがあります。
表面のカビであれば、熟成後にトリミングして取り除けます。しかし、カビが肉の中まで入り込んでしまうと、外側を削るだけでは対応できません。
つまり、「まだ置けるから置く」という判断をすると、歩留まりが悪くなるだけでなく、商品として使えない範囲が広がる可能性があります。
だから、シンシンは40日で引き上げる
シンシンについては、当店では多くの個体で40日前後を目安に引き上げています。
60日まで置けるかどうかではなく、40日前後で肉の香り、状態、表面の変化を見て、そこで仕上げる。これが今のところ一番良いと考えています。
長期熟成できること自体が価値なのではありません。
その肉が一番おいしいところで熟成を終えること。
熟成肉づくりでは、伸ばす技術だけでなく、引き上げる判断も同じくらい重要です。
シンシンは「赤身3種セット」に入る場合もあります
シンシンは、当店の「赤身3種セット」に入っている場合もあります。
長期熟成肉とは違う、シンシンならではの赤身の味わいと、40日前後で仕上げた熟成のバランスを楽しんでいただければと思います。
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