店主昆野
2023-04-20
時代に逆行していくということ

私が好きな世界
私がサラリーマン時代は、人と関わるのを極力避けていました。最初は、営業という苦手な分野で仕事をしていましたので、怒られ続け、うまく改善もできず、人が怖くなっていました。昔から、周りの人と感覚が違うのかもと感じながらもなんとか合わせようと生活していたのが、社会人になって灰汁として一気に出てきたのでした。
その時の唯一の楽しみは将棋を打つこと。それで気を紛らわせていました。
日本には理由は違えど、リアルの場をノイズに感じてしまう人が多いのではないでしょうか。ただ、今はその気持ちがなくなりつつあります。それは奈良県室生というとても田舎の場所に移り住んでからです。周りは自然とお寺、ジブリを感じさせる神社があります。
ノスタルジックなところで、近所の人たちとも昔を思わせる関係性。漬物をいただたり、商売のことを教えていただいたり、毎日声をかけていただいたり、そんなつながった世界がいいなあと思ったのです。


目次
- ブランド名を変えた理由
- 有機的に、より有機的に
ブランド名を変えた理由
私は「野獣」という名前で1年半ほど熟成肉の販売をしていました。対外的には「野性的までの喜びをお届けしたい。」ということでしたが、実際には「珍しいものを作りたい、面白く伝えたい、癖が強いものを作りたい」という欲求から来たものでした。


ブランド創業当初は、面白く伝えるようYoutubeをやったり、商品の中に変なクイズを載せたり、やりたい放題でしたが、「これでは高級そうに見えない」「ブランド価値が下がる」等の指摘をいただき、まじめにやるようになりました。そしたら、つまらなくなってしまい、脳内ぐちゃぐちゃで今まで来たのが本音のところです。
そんな感じで、何とか開業しなければと、この物件にたどり着きました。自然が豊かでとってもいいところ。大家さんと一緒に周りのお店にあいさつ回りをしたのですが、大家さんは泣きながら「ありがとうございました」とおっしゃっていました。地域の方にとってとても愛着があるところでした。それを見て、私の中に押し込めていた、こんな世界良いなと思っていた感情があふれ出ました。こんな繋がった世界を生きたいなと。ブランドの名前については2ヵ月ほど悩みましたが、リセットの意味も込めて、変えることにしました。変えましたが、今まで通り、マニアックなものを作り続けていきます。

有機的に、より有機的に

これからは、人のつながりという部分では、より時代に逆行していきたいと考えています。感謝は手紙で伝えますし、生産者さんの想いも込めて、商品を作りたいと思っています。こんな暖かい、何かノスタルジックな世界を実現していきたいですね。このロゴのらせんマークには、全てがつながる・つながりたいという想いも含まれています。

なかなかできないですが、応援してくださる方々に、お会いしに行きたいと思っています。不効率上等です。そんな人間的な人間でいられるようになっていきます。そんな私ですが、これからもよろしくお願いいたします。